アレルギー科
アレルギー科
アレルギー科は花粉症や気管支喘息、蕁麻疹(じんましん)、食物アレルギーなどに代表されるアレルギー疾患を専門的にみる診療科です。人体には体の成分と違うもの(異物)が体の中に入ってくると、これを取り除こうとする免疫機能があります。この際の過剰反応がアレルギーです。
当院ではこのようなアレルギー物質によって引き起こされる、気管支喘息やアレルギー性鼻炎(花粉症)、蕁麻疹などの診断・治療を行っていきます。
アレルギーに関する症状やお悩みに関して幅広く診療いたします。お気軽にご相談ください。
このような症状の方はご相談ください。
喘息は、咳や痰などの症状、ゼイゼイ、ヒューヒューという喘鳴(ぜいめい)、息苦しさ、呼吸困難を繰り返す呼吸器系の病気です。喘息が起きる原因は多彩で、ダニやハウスダスト、イヌ、ネコ、うさぎ、ハムスターなどの動物のフケや毛など様々です。
気管支喘息は気道狭窄が認められます。治療せずに放置すると、繰り返し起きる炎症により、気道の構造が変化し(リモデリング)、気道が細くなった状態が持続するようになります。この状態になると、息苦しさがより起きやすくなりますので、適切な診断を受け、早めに治療を開始することが大切です。
喘息の治療は発作が起きた時に呼吸を楽にする治療と、発作が起きないように行う長期管理に分けられます。急性の発作の際には内服や点滴のステロイド投与が中心になります。感染が発作の原因となっている場合には抗生剤投与を要する場合もあります。気管支喘息の慢性炎症に対しては、吸入ステロイド薬が最も効果があり主軸の薬になります。
咳が長く続く、ゼイゼイを繰り返す、運動時にゼイゼイして息切れが認められる場合は、喘息の可能性がありますのでご相談ください。
咳喘息とは、咳が2~3週間、場合によっては数ヵ月にわたって咳だけの症状が長く続いている状態です。 喘鳴(喉がゼイゼイ・ヒューヒューと鳴る)という症状や呼吸困難などの症状もなく、咳だけが長期間続くことが、気管支喘息とは異なる大きな特徴です。胸部レントゲンでは通常以上を認めません。炎症を放置することで数年の経過で3-4割程度の患者さんで喘息への移行が示唆されている報告あり早めに診断・治療を行っていくことが重要です。
長引く咳は喘息や咳喘息の可能性があり、聴診、胸部レントゲン、肺機能診断や当院では喘息や咳喘息で異常をしめすことが多い呼気一酸化窒素濃度測定検査を即日施行可能です。
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻・目のかゆみなどに苦しむ花粉症の方は年々増加しており、日本国民の25%以上が花粉症という統計もあります。
アレルギー性鼻炎・結膜炎は、スギ花粉などによって引き起こされる季節性アレルギー(花粉症)と、ダニやハウスダストなどによって引き起こされる通年性アレルギーに大別されます。
花粉症による鼻炎は季節性があり、症状が出始める時期や最も症状の強い時期についてお聞きします。スギ花粉症は2月から4月にかけて症状がでる場合が多く、ダニ(ハウスダスト)アレルギーによる症状は一年を通して認められるのが特徴です。
症状は季節性・通年性のいずれも、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみ、充血などです。治療としては、原因が特定できる場合は、可能な限り原因の回避と除去(こまめな掃除など)を行います。アレルギー性鼻炎の薬物療法は広く行われており、症状や重症度に応じて抗ヒスタミン薬や鼻噴霧用ステロイド薬などを用います。アレルギー性結膜炎では、アレルギー反応を抑える抗アレルギー点眼薬などによって、目のかゆみの症状を改善します。
つらい花粉症の症状にお悩みの場合、早めに受診されることをお勧めします。抗アレルギー剤の内服や点鼻・点眼で改善が乏しい方は舌下免疫療法等の免疫療法の適応になる可能性があります。
※舌下免疫療法とは
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギーと確定診断された患者様が治療を受けることができる療法です。1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、アレルゲンを少量ずつ3~5年の長期に渡って投与することで、体を慣らし、アレルギー反応を起こしにくい体質に改善していく治療法です。
長期にわたり正しく治療が行われると、アレルギー症状を治すことや、症状をおさえる効果が期待できます。症状が完全におさえられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。また喘息発症の予防効果が示唆されております。ただし治療効果がはっきり出ない方も20%程度程おられます。
食物アレルギーは、特定の食品によって生じるアレルギー反応のことを指します。症状として湿疹やじんましん、嘔吐・
下痢、咳などがあります。ときに血圧低下や意識障害、呼吸困難など生命を脅かす危険な状態に至ることもあります。三大アレルゲン(アレルギーの原因物質)として、卵(鶏卵)、牛乳、小麦が挙げられますが、ほかにも木の実類、ソバ、甲殻類(えびやカニ)、魚卵、ナッツなどがあります。0歳で最も多く認められ、年齢の経過とともに軽快していく傾向があります。食物を食べて症状が出ても免疫が関与していない場合は、食物アレルギーではありません。食物アレルギーはIgE抗体(身体を守る機能を持つ抗体)と食物アレルゲンが反応して症状が現れます。
食物アレルギーは症状や重症度に個人差があり、原因となる食物アレルゲンも人によって異なります。食物アレルギーへの対応としては、アレルゲン診断を受け、最小限の除去を正確に行い、安全を確保しながら必要な栄養を摂取していくことが基本となります。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、短時間でと跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。たいていあかみやかゆみを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じになることもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。じんましんの治療は、まず原因や悪化因子を探して、それらを取り除く、または避けるようにすることです。アレルギーが原因であれば、原因アレルゲンや刺激を回避します。仕事や勉強などのストレスや不規則な生活を避けることも重要です。薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。